丸つまみと剣つまみ|つまみ細工の基本、違いは3折り目だけ
つまみ細工には、たった2つの形しかありません。丸つまみと剣つまみです。
梅も、菊も、桜も、藤も。すべてこの2つの組み合わせでできています。京都・西陣の工房で作っている簪も、突き詰めればこの2つです。
そして、この2つの違いは、驚くほど小さい。3回目の折り方が違うだけです。
持ち方から
ピンセットは、鉛筆のように持ちます。強く握らないでください。布を潰さず、そっと支える。それだけです。
生地は正方形。まずは2.5cm角あたりから始めると扱いやすいです。
丸つまみ(まるつまみ)
ふっくらと丸い花びらです。梅や桜のような、やわらかい花に使います。
- 布を1枚、ピンセットでつまみます
- 1折り目 — 対角線でつまみ、半分に折って三角形にします。角をきれいに揃えてください
- 2折り目 — 三角形の中央をつまみ、右手を左に回してもう一度半分に折ります。左側で角を揃えます
- 3折り目(ここが丸つまみ) — 三角形の中心線より、ピンセット1本分ほど上をつまみます。右側に90度の角が見えるように。下側を少し開いて、上に折り上げ、先端の3点を揃えてつまみます
- 揃えた先端を左手で持ち、ピンセットをそっと抜きます。ピンセットの先で三角形の上部をつまみ、内側に丸めます。ここで、丸みが生まれます
- 花びらに斜めにピンセットを入れ、底の切り口(生地の端)をはさみで切り揃えます
- 切った面を下にして糊板に置き、切り口を糊に押し付けます。固定したら、ピンセットをゆっくり抜きます
- ピンセットで花びらの裏を少し開いて、完成です
剣つまみ(けんつまみ)
先の尖った花びらです。菊や、りんとした花に使います。
2折り目までは、丸つまみとまったく同じです。対角線で三角形にして、中央をつまんで左に折る。ここまでは変わりません。
違うのは3折り目だけ。
- 丸つまみ — 中心線より少し上をつまみ、下を開いて折り上げ、上部を丸める
- 剣つまみ — 三角形のちょうど中央をつまみ、下を開かずにそのまま上に半分に折り上げる
それだけです。あとは丸つまみと同じように、切り口を切り揃えて、糊板の糊に挿すように立てて置きます。
たった2つで、すべての花が咲きます
体験教室では、この2つを覚えていただいたあと、花を選んでいただきます。
- 梅 — 丸つまみ5枚と、剣つまみ1枚
- 変わり花 — 丸つまみ3枚と、剣つまみ3枚
- 菊 — 剣つまみ9枚
同じ2つの形が、組み合わせと枚数で、まったく違う花になります。ここがつまみ細工の面白いところです。
うまくいかないときは、たいてい布か道具です
角が決まらない。花びらが戻ってしまう。ふっくらしない。
教室でそういうご相談を受けるとき、原因は腕ではないことがほとんどです。生地が化繊だと、つまんだ形を覚えてくれません。絹は指の形をそのまま記憶します。ピンセットの先が合っていないと、角は決まりません。
道具と材料を変えるだけで、別人のように仕上がることがあります。材料と道具について書いた記事もあわせてどうぞ。
手を動かしてみたい方へ
動画と説明書のついた制作キットをご用意しています。生地も土台も入っていて、届いたその日から始められます。教室で実際にお教えしている手順を、そのまま組み立てました。
京都・西陣の工房では、つまみ細工の教室も開いています。手元を見ながら覚えたい方は、そちらもどうぞ。