Article: おちりん・土台・金具|咲かせた花を、作品に仕立てる
おちりん・土台・金具|咲かせた花を、作品に仕立てる
花びらを折れるようになると、次の壁が来ます。咲かせた花を、どうやって作品にするのか。
ここでつまずく方が、とても多い。教室でも、花びらより土台と金具の質問のほうが多いくらいです。
地味な部品ですが、実は仕上がりを大きく左右します。
おちりん — 花を乗せる土台
つまみ細工の要になる部品です。折った花びらを、この上に一枚ずつ葺(ふ)いていきます。
おちりんの大きさが一つ違うだけで、花の見え方は変わります。小さすぎると花びらが窮屈になり、大きすぎると中心が間延びします。
12mmから30mmまで揃えているのは、そのためです。作る花の大きさに合わせて選んでください。ワイヤーがついたものは、束ねて組み上げるときに便利です。
土台は、厚紙の丸台紙と和紙で自作することもできます。極薄の和紙を使うと、軽く仕上がります。
金具 — 髪に留めるためのもの
咲いた花を、髪飾りにするための部品です。用途で選びます。
- コーム — 日本髪や、まとめ髪に。10山と15山があり、花の大きさで選びます
- クリップ — 手軽に留められます。16mmの平皿型と、20・28・45mmのおわん型
- Uピン — 小さな花を散らして挿すときに
- パッチン留め(スリーピン) — 小さなお子様の細い髪にも留まります。七五三の三歳の髪飾りによく使います
- 二本足かんざし — 本格的な簪に仕立てるときに
ビラ、房、鈴 — 揺れて光る部分
かんざしらしさは、実はここで生まれます。
- ビラ — かんざしから下がる、短冊のような金属の飾り。動くたびに光を反射します
- 切り房 — 正絹の房。しっとりと下がって、後ろ姿を美しく見せます
- 宝来鈴 — 小さな音と輝きを添えます
- 金モール・銀モール — 花の中心や縁に添えて、表情を締めます
花だけでは、どうしても静かな作品になります。揺れるものを一つ足すと、生き物のように見えてきます。
ワイヤー — 花を束ねて、形をつくる
複数の花を組み上げるとき、茎の代わりになるのが地巻ワイヤーです。太さで役割が変わります。
- #20 太め — しっかり固定できて、曲がりにくい。長めに使うときに
- #22 標準 — 曲げてから固定しやすい。いちばん使う太さです
- #24 やや細め — 簡単に曲げやすい。短く使うときに
- #26 細め — いちばん細く、自由自在に曲がります
迷われたら、#22からどうぞ。
細かいサイズを、切らさないこと
おはりばこが、おちりんもクリップもワイヤーも、細かくサイズを揃えているのには理由があります。
作品ごとに、合う部品は違うからです。「あと1mm小さいおちりんがあれば」という場面が、必ず来ます。そのとき無いと、作品は妥協することになる。
だから、たとえ動きの少ないサイズでも、置いています。
京都 おはりばこの資材について
ここで扱っている土台と金具は、すべて工房で私たちが実際に使っているものです。京都・西陣で創業80年、簪と和装小物を作り続けてきました。
ご自分の作品にどれが合うか迷われたときは、お気軽にご相談ください。